手形割引博士の実践講座サンプルで見る!その手形、本当に安全ですか?
手形は有価証券じゃ。現金化するには不備のない状態でなければいかん。しかし、世の中に流通している手形の中には「これは偽造手形(変造手形)かも……?」と思われるような“危ない手形”も存在しておる。
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危ない手形をつかまされていたら・・・と思うと心配ですよね。
今すぐ手元の手形をチェックしてみてください!
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受け取った手形をチェック
まずはサンプルをもとに、A~Iの9つのチェック項目に不備がないかチェックせよ!ひとつでも不備があれば手形は無効じゃぞ!
A.「約束手形」という印刷があるか
B.金額が合っているか(チェックライターで記載されている場合、数字はアラビア数字で表記され、支払金額を「¥」と「※」で挟む形で記述されているか)、手書きの場合は漢数字で表記され、「金」と「円」で挟む形で記述されているか
C.支払約束の文言が印刷されているか
D.支払期日はきちんと暦にある日付か(例:11月31日などの誤った日付ではないか)、振出日よりも後の日付か
E.名宛人(受取人)の名前は正確に記載されているか、回し手形の場合、名宛人は第一裏書人と同じか
F.支払場所の銀行名が正しく記載されているか、支払銀行の所在地に本当にその銀行があるか
G.振出日はきちんと暦にある日付か(例:11月31日などの誤った日付ではないか)、支払期日よりも前の日付であるか
H.振出人住所に、本当に振出人の会社または支店・営業所があるか
I.振出人会社名は自署またはゴム印、印刷があるか。印は銀行届出印かどうか(届出印鑑票の写しにてチェックできる)
要注意!危ない手形
世の中の手形の中には、「とてもじゃないが現金化できん!」
という手形も存在するのじゃ。手形割引業者は、明らかに怪しい手形、 危ない手形は取引を断ることもある。
そんな手形の傾向はご覧のサンプルのとおりじゃ。
J.支払期日が訂正されている
K.メインバンク以外から振出されている、支払地にその銀行が存在しない
L.月商に比べ金額が大き過ぎる
M.印紙が貼っていない。もしくは複数枚の印紙が貼られている
N.社判、印鑑が不鮮明だったり、曲がって押されたりしている
ずさんな裏書に注意!
ちょっとした記載ミスかと思いきや、このずさんな裏書には会社の姿勢や信用状況が現れているものじゃ。冗談のような話だが、これは本当じゃ。資金繰りに計画性がないからこそ日付が何度も訂正されていたり、社判や印鑑が曲がっていたり、お粗末な手形ができあがる。こんな手形を見たら、ワシならずとも手形割引業者なら誰もが「これは怪しい」「この手形は不渡りの危険性がある」と判断するものじゃ。
不自然な手形に注意!
月商3,000万円の企業から5億円の手形が持ち込まれる……そんなケースも、手形割引業者のアンテナが働くぞ。一体どういった取引をしているのか、実態を疑わざるを得ないからな。
後は印紙じゃ。複数枚の印紙を貼って金額合わせをしているということは、「普段その金額の手形を振出していない」と公言しているようなもの。まして印紙の貼られていない手形などは論外じゃ!
もし上のJ~Nの5項目に不審な点があったら、手形の振出人を調査してみたほうがいいかもしれんのう。